ニュースリリース
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2021.10.20
2021年度しなやかエンジニア教育プログラム 『パーソナルカラー』の講義を実施しました
2021.10.12
2021年度しなやかエンジニア教育プログラム 『化粧品の官能評価と感性価値の見える化』の講義を実施しました
2021.07.09
2021年度しなやかエンジニア教育プログラム 『ワコールにおける人間科学的視点を生かしたものづくり』の講義を実施しました
2021.06.28
2021年度しなやかエンジニア教育プログラム 『アンガーマネジメント』の講義を実施しました
2021.06.18
2021年度しなやかエンジニア教育プログラム 『漆と工業はどう関わることができるのか?』の講義を実施しました
2021年度しなやかエンジニア教育プログラム 『化粧品の官能評価と感性価値の見える化』の講義を実施しました
2021.10.12
2021年10月12日(火)に日本顔学会会長/ 武庫川女子大学薬学部客員教授/ sukai美科学研究所代表 菅沼 薫 氏を講師としてお招きし『化粧品の官能評価と感性価値の見える化』についての講義を実施しました。菅沼氏は、奈良女子大学 家政学部 被服学科を卒業されたのち美容科学の道に進まれ、「化粧品は密着して身体を覆う被服である」という考えのもと美容科学の研究、化粧品の官能評価等の分野で長年にわたり活躍されておられます。
講義では、はじめに化粧品について種類や定義、市場規模等の基礎的な情報についての説明があり、化粧品産業には衛生学、薬学、皮膚科学等の学問から統計学、心理学、マーケティング等の多種多様な分野の学問が関連していることを教わりました。また、化粧品の使用がその使用目的に適っているかという目的適合性を調べる方法や、化粧品は人間の身体の皮膚表面の感度が高い「手」を使用して「顔」に塗られることが多いことから、使用効果はもとより使用感の良さも非常に大切であることが説かれました。この使用感を評価する方法としては、人の感覚での評価(官能評価)する方法があり、菅沼氏が過去に実施された実例を通して、分析した結果をユーザーにわかりやすく表現すること(感性価値の見える化)がいかに重要であるかを教わりました。

(菅沼氏の講義の様子)
今回の講義を通じ、多くの学生たちは化粧品の開発研究に長く携わって来られた菅沼氏の仕事に対する姿勢や考え方から、自分たちが将来エンジニアとして研究や開発を行っていくうえでの、新しい視点や気づきを得ることができたようです。

(質疑応答の様子)
なお、本教育プログラムの講義では、学年、学科が異なる4~5名のグループに分かれて持ち回りで振り返りのまとめを行っています。今回は、1-2年生 第4班と第5班に講義を振り返ってもらいました。
<学生の講義振り返りまとめ> |
化粧品業界について、講義を受ける前は、「化粧品」と聞くと物質化学工学科に関連する技術分野をイメージしていたが、講義を受けてみると、電気工学科や情報工学科など他の分野にも関係していたことを知り、一見関わりの無さそうな業界でも私たちが活躍できる可能性は大いにあるのだと感じた。 また、講義の中で、人体の構造、感覚、特徴から人が何を必要としているのかを考えてモノが作られるプロセスを学び、これが「科学からモノをつくる」ということではないかと思った。 化粧品の評価方法について、官能評価は機械と違い人の感覚で測るものであり、商品にとって欠かせない大切な評価である。官能評価では、消費者にとって身近なものを材料にして比較評価することで多くの人にわかりやすく伝えることができる。また評価するものによっては、それぞれ評価方法を変え、より伝わりやすくするための工夫と技術が必要であることを知った。 また、評価した結果の「見える化」についても教わった。研究者が、化粧品を分析し評価し、そしてその評価した結果を消費者により分かりやすく伝えることが重要であることも知った。「見える化」は、研究者の一方的な評価だけではなく、消費者の意見を尊重することが大切だと理解した。 |
今回、菅沼 薫 様には、多大なるご協力頂戴しましたことに感謝申し上げます。有難うございました。