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しなやかエンジニア教育プログラム第10回目講義 女性エンジニアロールモデル講演会Ⅱを実施しました
2020.01.21
本校では2019年度より、新しい価値を持ったモノ・コトを作り出すことができる「豊かな感性・表現力」を備えたエンジニアリーダーの育成を目的とした「しなやかエンジニア教育プログラム」を開始しました。
2020年1月14日(火)に第10回目の講義として、P&Gイノベーション合同会社 研究開発本部 シニアサイエンティスト 湯山恵津子氏を講師としてお招きし『消費者ニーズに基づくスキンケア製品デザイン』と題して講義を実施いただきました。
湯山氏は高専を卒業後、化粧品や日用品などの製品を手掛けるP&G研究開発部門に入社した後、プロダクトリサーチ部門でボディーシャンプー、海外ブランドの美白のスキンケア製品、SKⅡの美白製品などの開発に携わってこられ、社会で活躍する女性エンジニアの立場から、企業での貴重な経験をお話しいただきました。
講義では、研究開発とは『お客様の要望を叶える家を作る建築士のような仕事』であると例えられ、製品に対する評価を集め、製品をデザイン(設計)するために様々な視点から分析を行い、製品の使用感を設計の道標として開発を進めていくものであることが説かれました。また、そうした過程を経て開発された製品は、発売される国の法令に遵守しているかなどあらゆる条件でふるいにかけられ、ユーザーの評価が合格点に達したものだけが市場に送り出されていくことが示されました。続いて行われたワークショップでは、グループに分かれてスキンケア製品を実際に試し、該社の研究開発の際にも活用されている分析グラフを作り、製品の使用感の分析を体験しました。学生は、分析の過程では微細な感度が求められる難しさと、身近にあるものを開発者の視点で見ることの楽しさを実感したようでした。
また、湯山氏の経験から、高専生は学校で幅広い知識を学び応用力に富んでいることが強みであること、また企業での数々の海外出張や海外との折衝などの経験から英語を勉強することの大切さが説かれました。高専卒業生として活躍する女性エンジニアの生の声は、学生に大きな影響を与えたようでした。

湯山氏の講義の様子
講義の後、学生は4〜5名のグループに分かれ、講義から得た気づきなどについてメンバー同士で共有し振り返りを行い、グループごとで気づきについて発表しました。学生の気づきの中には、「身近なところにも普段自分たちが勉強していることが深く関わっていることがわかり、日々の積み重ねをしっかりしていこうと思った」や、「将来、海外で働きたいという思いがあるので、未来を意識して英語を勉強していきたい」という頼もしい意見も聞かれました。また、「今回の講義で、高専に入学してよかったと改めて思った」という感想もあり、高専生の強みと誇りを再認識し、学生にとって近い将来エンジニアとしてモノづくりに携わるうえで大きな糧となる貴重な時間となりました。

製品の使用感を分析するワークショップ

ワークショップの発表の様子
今回、P&Gイノベーション合同会社 湯山恵津子様には、多大なるご協力頂戴しましたことに感謝申し上げます。有難うございました。